
日帰り手術・治療案内
日帰り手術・治療案内
白内障が進行して日常生活に支障をきたすような場合に、人工のレンズ(眼内レンズ)を入れる手術になります。当院は、日帰り手術を行っています。
当院では、白内障手術機器『センチュリオン ビジョンシステム』を採用しております。
月の第1、2金曜日と第1、2日曜日が白内障の手術日となっております。手術希望の方はまずは診察にお越しください。
手術では、白く混濁した水晶体を超音波白内障乳化吸引術という方法(専用の器具から超音波を出して水晶体を砕き、シャーベット状にして吸引する)で取り除きます。この際に、水晶体を包んでいる袋(嚢)の後ろの部分を残し、この水晶体後嚢に眼内レンズを挿入します。基本的に局所麻酔下に行い、手術時間は10~15分くらいです(※個人差があります)。
手術後は麻酔の効き目が薄れるまでお休みいただき、目の検査などをした後、何も問題がなければ、そのままお帰りいただけます。
メガネを合わせても見えにくい、かすみが強くなった、などの症状があれば手術を検討いたします。
個人個人の生活スタイルや趣味、目の状態などに合わせて、手術に最適な時期も変わりますので、是非じっくりお話させていただいた上で、ひとりひとりにその時期をご提案させていただきます。
以下のような場合には手術をお勧めいたします。
※手術後は、普段通りに生活していただけますが、点眼や定期検診の必要があります。
手術に関する日程を決定
手術決定後は医師および看護師より、手術方法の他、手術前後の予定・注意事項等の説明及び問診があります。
手術前検査・診察
手術に必要な眼の検査と採血、及び診察を行います。
手術前最終検査
手術のオリエンテーションを行います。
(手術当日の来院時間・手術前点眼・手術前後の注意事項などについて)
手術日の当日
手術をした眼に眼帯を当てたまま翌日まで過ごしていただきます。
手術後はしばらく安静の後、すぐにご帰宅いただけます。
手術翌日の診察
スタッフが眼帯を外します。その後検査・診察を行うほか、手術後の点眼方法について説明を行います。
手術後翌日から6ヶ月間
術後6ヶ月頃まで、後発白内障の有無なども確認しながら慎重に経過を見ます。必要に応じて点眼薬の調整や眼底検査も実施します。
緑内障の患者様に行われる手術療法です。この施術は、房水が流れる通路(シュレム管)の手前の線維柱帯にレーザーを照射し、房水の眼外への排出をスムーズにすることによって眼圧を下げるレーザー手術になります。
外来で、しかも点眼麻酔のみで行え、ほとんど痛みも伴いません。しかし、この治療は、すべての人に効果的というわけではなく、大幅な眼圧下降も期待できません。また、術後数ヶ月以内に効果が失われてしまうこともあります。
目の中を流れる房水は、線維柱帯という出口を通って外に排出されます。この部分が詰まると、水がうまく流れず、目の中の圧力(眼圧)が上がってしまいます。
排水口にゴミが詰まると流れが悪くなるのと同じように、目でもこの出口をきれいにすることで流れが改善し、眼圧を下げることができます。
当院では緑内陣手術の際、この詰まりを取り除き房水の通り道を広げる「流出路再建術」を行っています。目に負担の少ない方法で行うため、体への負担も軽く、早い回復が期待できます。
なお、本手術は白内障手術と同時に行うことも可能です。併用することで、目への負担を軽減し、効率的に眼圧のコントロールを図ることができます。
手術日程の決定
手術当日の流れや点眼方法について案内があります。
手術前検査・診察
眼圧測定・眼底検査・視野検査などを実施し、手術の適応を確認します。
手術当日
点眼麻酔を行ったうえで、手術を行います(手術時間は約10〜20分)。
終了後は眼の状態を確認し、問題なければそのままご帰宅いただけます。
術後のケア
数日間、炎症を抑える目薬を使っていただきます。
手術翌日または数日以内に再診し、眼圧の変化を確認し、その後も定期的に通院し、眼圧や視野の経過をみていきます。
外眼部とは、眼球そのもの以外に、まぶた(眼瞼)や結膜、涙器、眼窩などの周囲構造を含む、いわゆる「目のまわりの組織」を指します。当院では、外眼部に関連する疾患のうち、眼瞼下垂(がんけんかすい)および眼瞼痙攣(がんけんけいれん)に対する専門的な手術や治療を行っています。
眼瞼下垂とは、上まぶたが十分に開かなくなり、視界が狭くなる状態を指します。まぶたが下がることで、視界の上の方が遮られ、目をしっかり開けるために無意識に額の筋肉を使うようになり、額にシワが寄ったり、頭痛や肩こりの原因になったりすることもあります。
原因は大きく分けて2つあり、一つは先天性(生まれつき)のもの、もう一つは加齢やコンタクトレンズの長期使用、眼瞼挙筋(まぶたを持ち上げる筋肉)のゆるみなどによる後天性のものです。とくに中高年になると、皮膚のたるみや筋力の低下などで、まぶたが下がってくるケースが多く見られます。
眼瞼痙攣は、目の周囲の筋肉(眼輪筋など)が不随意に動いてしまう病気で、まぶたのピクピクとしたけいれんや、まぶたが勝手に閉じてしまうなどの症状が見られます。進行すると、自分の意思では目が開けられなくなるケースもあります。
初期症状としては、目の疲れやドライアイに似た違和感、まぶしさを強く感じる、目が乾きやすいといった症状があり、これが徐々に悪化することがあります。中年以降の女性に多く見られるのも特徴です。一般的に、自律神経の不調やストレス、眼精疲労との関係があると考えられていますが、明確な原因はまだ解明されていません。
眼瞼下垂(がんけんかすい)の場合
手術は見た目の改善だけでなく、視界や生活の質を改善する医療行為として行われます。
眼瞼痙攣(がんけんけいれん)の場合
手術日程の決定
手術内容・リスク・術後の経過について詳しく説明を受けます。
手術に向けて血液検査・視機能検査などの事前検査を行う場合があります。
手術前検査・診察
眼瞼下垂の場合:視野検査やまぶたの開き具合の評価などを行い、手術計画を立てます。
眼瞼痙攣の場合:問診やまぶた・顔面の動きの診察を行い、ボツリヌストキシン注射の適応を判断します。
手術当日
局所麻酔を行ったうえで、外来もしくは短時間入院にて手術を行います(片目で30〜60分程度)。術後は必要に応じて安静にした後、ご帰宅いただけます。眼帯は基本的に不要です。
手術後
腫れや内出血が数日〜1週間ほど続くことがあります。
眼瞼下垂手術では、1週間前後で抜糸が必要です。
医師の指示に従い、抗生剤・消炎剤などの点眼や内服を使用します。
手術後も数回の再診にて、経過を確認し、左右差や再発の有無などを評価します。
当院では、糖尿病網膜症の中期から進行期の患者様に対して、レーザー手術(網膜光凝固術)を行っております。この治療法は、網膜の血管に由来する異常な変化、特に微小出血や血流障害が見られる段階で用いられ、進行予防に高い効果を発揮します。
糖尿病網膜症が中期以降になると、網膜の毛細血管が詰まったり破れたりすることで出血を起こすほか、血液の供給が不十分になる「虚血領域」が現れます。このような状態では、網膜が酸素や栄養を十分に受け取れなくなり、やがて新生血管と呼ばれる異常な血管が作られます。新生血管は非常にもろく、簡単に破れて重度の眼底出血や網膜剥離を引き起こす可能性があるため、早期の対応が求められます。
こうした虚血状態にある網膜に対して行うのが、レーザー手術(網膜光凝固術)です。レーザー光を網膜に照射することで、酸素不足の領域を焼灼し、異常な血管の発生を抑制します。これにより、病気の進行を遅らせるだけでなく、将来的な視力の悪化を防ぐ効果も期待できます。
糖尿病網膜症が中期から進行期に進んだ段階で、網膜に出血や血流障害が見られる場合、レーザー手術(網膜光凝固術)が検討されます。
この手術は、網膜に酸素が届きにくくなる「虚血領域」が広がる前に行うことで、異常な血管(新生血管)の発生を防ぎ、病気の進行や失明のリスクを減らす目的があります。
手術日程の決定
当日の流れや注意事項をご案内します。
手術前の検査
視力・眼圧・眼底などの検査を行い、レーザー手術の適応を確認します。
手術当日
点眼麻酔を行い、レーザー照射を行います(日帰り手術)。
手術時間は20〜30分ほどで、終了後は目の状態を確認してご帰宅いただけます。
術後のケア
炎症を抑えるための点眼薬を数日使用します。
術後1週間以内に再診して経過をチェックします。以降も、定期的に通院して網膜の状態や視力の変化を確認していきます。
硝子体注射(しょうしたいちゅうしゃ)は、黄斑の浮腫(むくみ)や新生血管の発生を抑えるために行われる、眼球内に直接薬剤を注入する治療法です。主に加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などの網膜疾患で視力の低下を防ぐ目的で使用されます。これらの病気では、網膜の中心部である黄斑にむくみが生じたり、正常ではない新しい血管(新生血管)が生まれて網膜を障害することがあります。硝子体注射では、こうした変化を抑える薬を眼の奥まで届けることで、視力の維持や回復を目指します。
注射は清潔な処置室で行い、まず眼球を丁寧に消毒し、点眼麻酔を用いて痛みを最小限に抑えた状態で行います。極細の針を使って白目の部分から硝子体という眼球内の透明な組織に向けて薬剤を注入します。処置自体は数分程度で終了し、痛みもほとんどありません。注射後に軽度の違和感や充血がみられる場合もありますが、多くは一時的なもので、日常生活に大きな支障はありません。
使用される薬剤には、副腎皮質ホルモンや抗VEGF薬などがあり、病状や進行の程度によって適切な薬剤が選ばれます。抗VEGF薬は、新生血管の成長を抑制し、黄斑のむくみを改善する効果があるため、現在ではこの分野で最も広く使われている治療法の一つです。必要に応じて、定期的な投与が必要になることもありますが、継続的な治療により視力を安定させる効果が期待できます。
視力の低下が進行する前に適切な治療を受けることが重要です。黄斑や網膜の異常を指摘された方、見えづらさや歪みを感じる方は、お早めに眼科を受診し、専門的な検査と適切な治療を受けることをおすすめします。
加齢黄斑変性・糖尿病黄斑浮腫・網膜静脈閉塞症などの網膜疾患により網膜にむくみ(浮腫)や異常な血管(新生血管)が生じるなど、このような異常が早期に見つかり、進行が確認されたタイミングで、病気の進行を抑え、視力の維持や回復を目的として硝子体注射を行います。
治療方針の決定
医師から、硝子体注射の目的や使用薬剤の効果・副作用・治療スケジュールについて説明があります。
注射前の準備
目の状態を再確認するために、視力検査・眼圧検査・眼底OCT検査などを行います。
感染予防のため、点眼薬(抗菌薬)を前日から数日使用することがあります。
注射当日
注射は数分で終了し、終了後はしばらく院内で目の状態を観察します。問題なければ、そのままご帰宅いただけます。
術後のケア
術後数日間は抗菌薬の点眼を続けていただきます。
1週間以内に再診を行い、眼内の状態を確認します。
その後も、定期的に診察・画像検査を行いながら、注射の継続が必要か判断していきます。
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